写真からEPixファイルを作成する場合、写真撮影のコツは?

デジタルカメラなどで撮影した写真画像をEPixファイルに変換してPiranesiに読み込み、パースに加工することができます。
写真の画像に重ねてテクスチャをペイントしたり、植栽や家具などの点景を置いたりできるので、リフォーム提案に最適です。

写真画像をEPixファイルに変換するには、Piranesiの付属ツール「Fotografia」(フォトグラフィア)を使います。
平面の画像に3次元の透視投影の情報を付加するので、変換したEPixファイルをPiranesiで読み込んだ時に、平面の画像であっても、テクスチャのパターンや点景の大きさが正しい遠近法で描かれるといった、Piranesiの特徴である3次元的な編集が可能になります。

 

ここでは、Fotografiaに読み込む写真をどのように撮影したらよいか、そのコツをご紹介します。

 直方体の頂点6点以上が写るように撮影する

一番簡単な方法は、大きさのわかっている直方体の頂点6点以上が写るように撮影することです。
Fotografiaでは、この直方体の頂点を指示することで投影法を指定します。(ボックス方式)

 
Fotografiaに画像を読み込んで、直方体の頂点を指示している様子
 

  • 直方体はできるだけ立方体に近い、大きなものを使用します。
    大きく写っているものほど、投影法情報の計算精度が高くなります。
    例)家具(キャビネットなど)、部屋、建物全体、など

  • 画像に対して直方体が小さい場合は計算の誤差が大きくなり、正確な投影法が設定されないことがあります。
    例)大きな建物の写真を撮影するのに、タバコの箱やブリーフケースなど、小さすぎるものを直方体として利用する

  • 直方体の一部の頂点が写っていない場合でも、辺がはっきりしていて、頂点の位置を推測できれば使用可能です。

  • ダンボール箱など、形状の正確でない物を直方体として利用することはできません。
    やむを得ずダンボール箱などを使う場合は、ふたを重しで押さえるなどして、できるだけゆがみを除きます。

  • 直方体の縦の線がEPixファイルの画像上で垂直線として扱われます。
    直方体がスロープの上にある場合は、直方体の垂直線が壁や柱に添うように置き直して撮影するとよいでしょう。

 適当な直方体がない場合は?

適切な直方体がないときは、建物や物体の座標値が判明している特徴的な点が6点以上画像に写るよう撮影します。
例) 家具や建物、部屋、建物の出隅・入隅など
Fotografiaでは、これらの点を調整点として指示することで投影法を指定します。(調整点方式)

 
Fotografiaに画像を読み込んで、調整点(色の付いた丸印)を指示している様子

  • 投影法情報の計算精度を高めるため、調整点は、画像の中の位置、実世界の位置ともに、なるべく広い範囲に分散しているようにしてください。

  • 実世界で、同一平面上に並ぶ5点以上の点、直線上に並ぶ3点以上の点は、サンプル数を増して誤差を平均化する効果はありますが、計算に最低限必要な点数である6点に含めることはできません。
    例1)建物の同じ壁面上の点の6点は、合計4点分の効果しかありません。
    壁面と壁面との延長線上からなるべく離れた点がさらに2点以上必要です。

    例2)廊下の片側の床と壁との境界からの3点、反対側の壁と天井との境界からの3点は、合計4点分の効果しかありません。
    それぞれの境界線から離れた位置の点(オレンジの丸で囲んだ部分など)がさらに2点以上必要です。
     

 Fotografiaで使用できない写真画像

  • 魚眼レンズなどの広角レンズを用いた、被写体の直線部分が曲がって写っている写真

  • レンズの中心軸がイメージの中心と一致しない「あおり」を使った写真

  • ペイントソフトなどでトリミングした画像(画像の中心がレンズの中心と一致しなくなるため)
    トリミングが必要な場合は、Fotografia で変換したEPix ファイルをPiranesi に読み込み、Piranesi のコマンドで行ってください。

 Fotografiaの操作方法は?

以下を参照してください。

  • 「Fotografia操作概要」(スタートメニュー、Piranesi、Fotografia、Fotografia操作概要、の順に実行)