V4.0 新機能紹介シリーズ(4) RPC点景を配置しよう

Piranesiのライブラリに登録されているRPC点景(Rich Photorealistic Content)を是非使ってみてほしい。RPC点景には、複数の方位から撮影した画像が1つのファイルにまとめられており、任意の方向を選んで配置することができる。ラスターファイルによる2次元画像の点景と異なり、同じ一つのファイルだけで向きを変えて配置することができるため、様々なシーンに対応可能だ。

RPC点景のコンテンツタイプ(RPCの形式)は、「3D」「3.5D」「2.5D」「3D+」があり、PiranesiV3.0では、「3D」「3.5D」「2.5D」をサポートしていたが、V4.0から新たに「3D+」をサポートした。ここではコンテンツタイプ「3D+」のRPC点景の配置について詳しく紹介しよう。

コンテンツタイプ「3D+」のデータは、内部に3次元形状のデータを持っている。このため、横方向の回転はもちろん、上から見下ろすアングルにも対応可能だ。Piranesiでこの点景を配置すると、鳥瞰、アイレベルなど、どのようなアングルのパースでも、配置する場所に合った正しい投影法で点景が描かれる。もちろん、アイソメや平面、立面図など、他の投影法でも使用できる。


鳥瞰、アイレベルなど、どのようなアングルにも対応!

そのほか、タイヤの向きやガラスの透過などの詳細を設定できるので、細部にまでこだわった点景配置が可能だ。 大変便利なので是非試してほしい。

  
ディテールの調整が可能!

自動車の点景を配置する方法は以下のとおりだ。

  1. 「ファイル/開く」コマンドを実行し、EPixファイルを開く。

     

  2. スタイルブラウザでRPC点景のスタイルをダブルクリックする。
     「点景3D」-->「01 RPC点景」-->「車(RPC) 01」

     

  3. 画像内をクリックして配置する。

     

  4. ツールマネージャの設定パネル、「点景」タブ内の「RPC詳細」ボタンをクリックし、「RPCパラメータ」ダイアログボックスの「Wheels」部分の「Steering」スライダーでタイヤの向きを調整する。

     

  5. 「編集/再描画」コマンドを実行し、タイヤの向きの変化を確認する。

ポイント1  光沢のあるリアルな点景配置
RPC点景の持つ「イメージベースドレンダリング技術」の光の計算によって、光沢のあるリアルな点景が配置できる。
 


フロントガラスに光沢が表現される

ポイント2  点景の向きを自在に調整できる
点景マネージャの「調整」ボタンや、設定パネルの「点景」タブ内、「回転」ボックスで角度を指定して、点景の横方向の向きを360度、どの角度にでも調整することができる。
※コンテンツタイプ「3D」「3.5D」でも同様の機能がある。

 

ポイント3  「RPCパラメータ」ダイアログボックスで点景のディテールを設定
コンテンツタイプ「3D+」のRPC点景を指定すると、設定パネルの「点景」タブ内、「RPC詳細」ボタンが有効になる。「RPCパラメータ」ダイアログボックスは選択したRPCファイルによって内容が異なる。「車(RPC) 01」では、タイヤの角度の他、ガラスの透明度、光の反射を設定できる。

・「Cast Reflections」チェックボックス
チェックすると、車体への光の反射をペイントできる。

 
 
チェックする
 
 
チェックしない

・「Tinting」スライダー
ガラスの透明度を設定できる。設定する際には、「Use Tinting」チェックボックスをチェックし、「Tinting」スライダーで値を調整する。値を小さく設定するほど、ガラスはより透明になる。

 
0%
 
 
50%

※Piranesiでは静止画のみを扱うため、車のタイヤが速度に合わせて回転するなどの動的な機能についてはサポートしない。そのため、「RPCパラメータ」ダイアログボックス内のすべての機能を利用できるとは限らないので注意が必要だ。

 

ポイント4  色を自在に変更できる
コンテンツタイプ「3D+」のRPC点景は、マテリアル情報を持っている。このため、ボディ など特定の部分だけを、Piranesiのフィルタ機能を使用して色を変更することができる。操作方法については、下記の関連ページの奥義を参考にしてほしい。

 変更前       変更後

 

補足
・コンテンツタイプ「3D」
今回紹介した自動車の点景「車(RPC) 01」のほか、スタイルブラウザには、コンテンツタイプ「3D」の点景が登録されている。こちらも是非使ってみよう。

カテゴリ名   スタイル名 コンテンツタイプ
「点景3D」-->「01 RPC点景」--> 「車(RPC) 01」 「3D+」
  「樹木(RPC) 01」 「3D」
  「女性(RPC) 01」 「3D」
  「男性(RPC) 01」  「3D」

・コンテンツタイプ「2.5D」「3.5D」
スタイルブラウザに登録されているコンテンツタイプ「3D」「3D+」のほか、RPC点景には、人の一連の動作の画像を記録した「2.5D」や、パスに沿って歩くアニメーションを行う「3.5D」のコンテンツタイプがある。これを利用すると、ポーズを少しずつ変えて配置することで、少ないファイルからでも簡単に群集を作成することが可能だ。


2種類のRPCファイルから群集を作成

・RPC点景
RPC(Rich Photorealistic Content)は株式会社アプリクラフトより販売されている。 各コンテンツタイプの詳細については、こちらを参照してほしい。
  日本販売代理店:株式会社アプリクラフト
  開発元:ArchVision社

関連ページ:   点景の色を変更する方法